眠れない時に眠る方法
不眠の原因は何かを知り、対処することが重要となってきます。
ここではその場ですぐに実践でき効果的といわれている「眠れない時に眠る方法」についてご紹介いたします。
腹式呼吸で気持ちを落ち着かせる
眠りたいのに寝られないと焦るほど、緊張が高まり、ますます眠れなくなってしまうことがよくあります。
まず、すぐに試してほしいのが腹式呼吸です。とても簡単で、呼吸に意識を向けるだけで、気がついたら眠っていたということもあります。
やり方は、楽な姿勢で横になり、「フーッ」と口から息を吐きます。このとき、心の中で「1、2、3」と数えながら3秒間息を吐き、お腹がへこむのを意識します。
次に、ゆっくりと鼻から息を吸い込みます。無理のないペースで数分間続けてみてください。
睡眠前の入浴で入眠ニューロンの活性化
ニューロンとは情報処理と情報伝達に特化している神経細胞です。入眠ニューロンが活性化すると、眠気を引き起こします。
入眠ニューロンは体温の上昇によって活動が高まるため、入眠前の入浴や入眠時に寝室を暖かくすることが自然な眠気を引き起こすことに有効です。
体内時計をリセットする
人間の体は、日中は活動的に、夜間は休息状態に切り替わる体内時計が備わっており、体内時計は1日の始まりに光を浴びることでリセットされ、活動状態に導かれます。日中と夜間が切り替わるとき、体内時計から指令が出て、メラトニンが放出されます。
メラトニンとは松果体から分泌されるホルモンであり自然な眠りを誘う作用があるため「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。
メラトニンの生成には、体内時計をしっかりリセットすることが重要です。体内時計のリセットは、光によって行われます。起床時、2,500ルクス以上の光を浴びると体内時計はしっかりリセットされます。
光の強さについて、太陽光の照度はとても高く、太陽光の日平均照度は、32,000ルクスから100,000ルクス程度。曇っていても屋外なら10,000ルクス程度あるため、起床時は、カーテンを開け、太陽の光を感じることをおすすめします。
運動を習慣化する
運動習慣がある人には不眠が少ないことが、国内外の研究で明らかとなっています。1回だけの運動は不眠にとっては効果はあまり期待できず、習慣的な運動が効果的です。
運動量については、激しい運動は睡眠を妨げるため、負担がすくなく継続しやすいウォーキングや軽いランニングなどの有酸素運動をおすすめします。
運動するタイミングは、就寝の3時間程度に完了する夕方から夜が不眠解消に適していると言われています。運動することで深部体温は上昇し就寝時には低下します。
睡眠は深部体温が低下するときに出現しやすく、さらに低下の落差が大きいと深い眠りに繋がりやすいといわれています。そのため寝る3時間前程度に軽い運動で深部体温を少し上昇させることが睡眠に効果的です。
寝る前のリラクゼーション
寝る前に、心身の緊張をほぐし、副交感神経を優位にするようなリラクゼーションを取り入れることも不眠解消に効果的です。
次の項目で紹介する筋弛緩法等の他、ストレッチ、瞑想、気持ちを落ち着かせるアロマ(ラベンダーやベルガモット)など、お気に入りのリラクゼーション方法を見つけてみるのはいかがでしょうか。
筋弛緩法
色々考えすぎて眠れないときの対処法としては、筋弛緩法をおすすめします。筋弛緩法により身体に意識を向け、思考の暴走を抑えることに繋がります。
筋弛緩法は、体の部位ごとにグッと力をいれ、一気に力を抜くことで、体の緊張を緩めるリラクセーション法です。体の疲れがとれたり、眠りやすくなったりします。筋弛緩法のやり方は次の通りです。
- ゆったりと座るまたは横になる
- 軽く目を閉じ全身の力を抜く
- 親指を握るようにこぶしを作り、 10秒ほど力を入れる 一気に力を抜きリラックス そのまま20 秒ほどじっとして緊張が ほどけていく感覚を味わう
- 上腕、背中、肩、首、顔、腹部、足、 全身と順番に行なっていく。
筋弛緩法の他、ヨガやストレッチなどで体の緊張をほぐす方法も、色々考えすぎて眠れないときにおすすめです。
不眠のツボを刺激する
ツボを刺激することで、不眠の原因となる不調が緩和されることがあります。
一般的に不眠によいとされるツボは「労宮」と「失眠」です。
労宮(ろうきゅう)
手を軽く握った時、人差し指と中指の先端の中間にあるツボ
労宮は精神機能を司り、やや強めに押すと全身の緊張が緩み、ゆったりとした気分になるといわれています。
失眠(しつみん)
かかとの中央にあるツボ
失眠は軽度な悩みによる不眠に効果的といわれています。お灸や、湯たんぽなどで温めて刺激を加えます。